死ねない時代についてご存知でしょうか?
突然ですが皆さんは自分の健康に関して考えたことはありますか?
ほとんどの方は考えたことがないでしょう。
自分も医療従事者になっていなけば全く自分の健康について考えていなかったことでしょう。
では、皆さんが健康について考えないかというと、健康の重要性と健康が損なわれることで起こりうるリスクを具体的に知らないからだと思います。
なぜ健康でなければいけないのか?
なぜ健康となる必要があるのか?
なぜ私たちは健康について考えていかなければならないのか?
健康が失われるとどんなリスクがあるのか?
そんな疑問があると思いますが、ここでは死ねない時代を生き抜く健康の重要性について記載していきます。
この記事を読み、健康についてより理解を深めていただき明日から生き方を変えるきっかけになっていただければ幸いです。
健康とは
病気がないとか弱っていないというだけでなく肉体的、精神的、社会的に完全に満足な状態であること。
(WHO 1946.7)
といわれています。
ここから分かるように健康とは単に病気を患っているということだけではなく、精神的な面や、社会的な面も全て含んでいるのです。
肉体的、精神的、社会的という総合的な面で満足な状態を作ることこそ『真の健康』を作り上げる一手になるのです。
1.これから訪れる人生100年時代
現在の日本は医療の進歩やライフスタイルの変化によって、今まで命を落とす要因となっていた急性疾患によって命を落とすことは減少しています。
これだけ聞くと
やっぱり最近の医療の進歩って凄いな!
これで将来は安泰だな!
そんな感じに、プラスの面で捉える方が多いかと思います。
果たして長生きは全て幸せに感じるのでしょうか?
結論からいうと健康な状態での長生きは幸せかもしれませんが、不健康な状態での長生きは幸せには程遠い状態になることが多いと思います。
間違えた生き方をすることによって長生きすることは一歩間違えればただの生き地獄になってしまう可能性だってあるということです。
今の時代、よほど不摂政な生活をしているのでなければ苦もなく長生きできてしまいますが、認知症のまま長生きしたり、寝たきりのまま長生きしたり、身体に何かしら障害をきたした状態で長生きしたりといったリスクが生じてしまうのです。
例えば、病気にかかり食事制限や運動制限があり、心や体がボロボロで不自由な状態で生きていかないことだってあるかもしれないのです。
昔だったらコロッといけた病気も治る時代ですから、後遺症を持ちながら長く生きていく事も必要になるわけです。
全ての人が不幸せになるかといわれるとそうではないですが、多くの人は幸せには感じないはずです。
この生き方はあなたが想像していたような生き方でしょうか?
あなたが想像している生き方は、ゆったりと気が赴くままに人生を楽しむような生活を想像していたかと思います。
認知症、寝たきり、障害を抱えた状態で死に怯えながら毎日を過ごしたいですか?
想像してみて下さい。
そんな毎日だったら私なら耐えられません。
不健康な方が増えている中で今騒がれているのが人生100年時代というワードです。
これからの時代は医療の進歩によって100歳まで生きる人も増えていくという一見素晴らしい言葉だと思うかもしれませんが、間違えると恐ろしいことになるという反面も持ち合わせているということにもなります。
自分の大事な資産である体を若い時からしっかり管理して、100年しっかり持つような身体を作っていかなければならないのです。
あなたは苦しくなかなか死ねない人生を選びますか?
それとも最後まで人生を味わい尽くしたいですか?
●長生きできる分、不健康な長生きをするというリスクが伴う!
●これからの時代は若い時から健康を意識しなければならない!
●大事な資産である『身体』を管理しよう!
2.健康でなければどうなってしまうのか?
健康でなければ以下のように年代別で様々な影響を与えます。
・正常な心身、学習機能の発達の阻害となりうる
・病欠が多く学業や人間関係に支障をきたす
・自分の好きなことができない etc..
・生産性の低下により社会的な役割を果たせない
・医療費等の経済的負担の増大
・自己肯定感の低下 etc..
・介護等による身内への心身的、経済的負担の増大
・健康寿命(寝たきりでなく健康的に過ごせる時間)の短縮
・娯楽や趣味への積極的参加の困難 etc..
上記のように、不健康は様々な世代に渡って悪影響を与えます。どの世代であっても健康について考えることは非常に大切となっています。
よく健康を意識するのは50代からと言われていますが、私が特に重要だと思っている世代は20代からの成人期です。
若い時は、
今から健康を考えるなんてめんどくさいわ!
そんな長生きしたくないし、太く短く生きるから俺は大丈夫!
今が楽しければなんでもいいや!
そんなことを思っている方が大半だと思います。
しかし、現代の状況を考えるとそんなことを言ってられません。
前章で述べたようなことを考えると、今変わらなければならないです。
死に方なんて誰も選ぶことはできません。
先ほどもお伝えしましたが、今までコロッと死ぬことができた脳卒中や心疾患、呼吸器系などの急性疾患は現代の医療で治すことが出来ます。
そういった疾患の後に残ってしまったりするのが後遺症と呼ばれる障害です。
脳卒中では身体に麻痺が残り、身体の自由が奪われます。
呼吸・循環器系に障害が残ると、少し歩いただけで走ったかのような疲れが残ります。
心に障害を抱えると、心の自由が奪われ、自分が自分でなくなっていくような感覚に陥ります。
自由が奪われた状態で生きていくのは簡単なことではありません。
また、成人期は比較的身体のコンディションが整っており、何をするにしても不自由を感じることがないようになっています。
そんな身体の黄金期である成人期を、不健康な生活で生きにくい身体になんかしたくありませんよね?
せっかくなら、自由な身体で若い時代を過ごし、全力で仕事や趣味に励み、全力で遊びたいですよね?
各世代であれ健康は非常に大切ですが、私は特に成人期での健康を推しています。
●各世代に不健康は様々な悪影響を与える!
●若い時こそ健康を全力で意識する!
3.身体を車に例えて考えると健康を意識しやすい!?
皆さん、自分の体が車だと思ってみてください。
人生とは道路であり、体が車です。
人生という長い道のりを走る中で、
手荒な運転でたくさん事故を起こし、不純物の入った安いガソリンを入れて、もし故障してもほっておくような管理をした車は将来どうなるでしょうか?
事故を起こさないように丁寧に運転をして、質の良いガソリンを入れ、何かが故障したらすぐに修理をするといった管理を徹底した車は将来どうなるでしょうか?
前者は長年持つことはなく、早くに走行不能になり壊れてしまったり、走ったとしてもガタガタと乗りごごちの悪いボロボロの車になることでしょう。
反対に後者は長年綺麗な状態で故障することなく、乗り心地の良い最高の車になるはずです。
それは身体も全く一緒です。
車のようにしっかり管理をしながら丁寧に使ってあげれば100年耐えうる素晴らしい体が作れるということです。
さあ、あなたはどちらの車に乗って人生という長い道のりを走りたいですか?
●身体の管理を車に例えて考えてみる!
●ボロボロの車で老後を過ごすかピカピカの車で老後を過ごすのはどちらが良いかを考えてみる!
4.気づいた時にはもう遅いという恐怖!
QOLを大きく下げる要因となりうる病気の一例を紹介します。
それは『COPD』と呼ばれる病気です。
COPDとは主に長期的な喫煙などによって肺が硬くなっていき、呼吸機能が著しく低下していく病気です。この恐ろしい病気にかかると苦しい状態が死ぬまで続くことになります。
症状が悪化すると少し歩くだけで全力疾走しているかのような疲労感を生じ、呼吸は苦しくなり自由に生活することができなくなります。
そんなCOPDの怖さを身をもって経験した人物が桂歌丸師匠です。この方はかなりのヘビースモーカーだったと言われています。
自分の経験から言いますけど、どうも酷い目に遭わないとやめられないんですね。ただやめろって言われてもなかなか踏ん切りがつかない。だけど酷い目にあった時はもう手遅れなんですよ。
桂歌丸(享年81)
上記の通り、気づいた時にはもう遅いのです。
このような病気は病気になる前から事前に予防する必要があるんです。
今まで出会ってきた患者さんも同じような言葉を言っていました。
気づいた時にはもう遅かったよ..
身体が壊れる前にもっと動いていれば良かった。
身体が資本だよ、本当に..
身体が上手く動かなくなってからやりたいこともできなくなっちゃった。
身体が思うように動かなくなって一番辛いのは、周りにいた人がだんだんといなくなっちゃうことだよ。
今まで一緒にご飯してた人、遊んでいた人、運動していた人とかね
身体が動かなくなると、周りの人との絡みが薄くなって友達とも気軽に会えなくなっちゃったからね。
特に心に残っているのが最後の言葉です。
トレーニング中に脳梗塞で倒れ、半身麻痺となってしまった患者様です。
この言葉を聞いて自分も心が痛くなりました。
自分もこの患者さんのように人と関わるのが好きで、友達と遊んだりすることが大好きです。
しかし、身体が健康でなければ友達と遊ぶこともできず、徐々に関係も薄れていってしまうだろうと感じました。
人間にとって最大のストレスは『孤立』と言われていますが、身体的な苦痛に加えて、精神的な苦痛を同時に与えられ続けられるということは想像を絶する辛さだと想像できます。
この人はどんな辛さを味わったのだろう、どれだけ辛い思いをしてきたのだろうと、その人の立場になって心情を考えると心が痛くなりました。
今までできていたことができなくなり
これからやろうと楽しみにしていたこともできず
歩きたいのに歩けない
動きたいのに思うように動かない
いざ動こうとすると筋肉がこわばって痛む
さらには周りの人との関係も薄くなっていき孤立していく..
健康にもっと気を使っていれば、あの時もっとこうしてれば、そんなことを思ったとしても『過去』は変えられません。
しかし、『今』を変えて『未来』は変えられます。
気づいた時にはもう遅かった
あの時こうしてれば、ああしていれば
なんて言葉は一生聞きたくない言葉です。
こんなに対策してたからしょうがない
まったくいい人生だった!!!
出典:ONE PIECE/尾田栄一郎 集英社
と最期にそんな言葉が言える人生を作りましょう。
手遅れとなる前にしっかり準備していくことが非常に大切だということです。
どのような結果であれ、最後まで人生を味わい尽くすには健康はなくてはならない存在です。
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