良い脂肪と悪い脂肪があります。
不飽和脂肪酸であるオメガ3は、私たちの体にはなくてはならない必須脂肪酸でもあります。
脂肪を分解し、代謝させてくれる役割がある脂肪酸ですが、
ダイエットやメタボリックシンドロームの予防には不適切なのではないかと勘違いをしている人がいます。
それはあくまでも飽和脂肪酸(牛肉や豚肉などの油)であって、不飽和脂肪酸は逆に中性脂肪の分解に役立ってくれるのです。
なぜ、油脂分なのに中性脂肪分解に役立ってくれるのか、またオメガ3とはどのようなものを指すのか、
そして、どのような効果があるのかを5つの理由と共に詳しくお話していきます。
1.オメガ3ってどんなもの?
聞きなれない人も多いオメガ3って一体どんなものを指すのでしょうか?
これは不飽和脂肪酸であり、植物性の油から摂取できるものを言います。
肉類から摂取できる油脂分である飽和脂肪酸は、私たちの体でも作り出すことが可能ですが、
不飽和脂肪酸は食事から摂取する以外に方法がなく、必要な脂肪酸でもあります。
オメガ3には、α-リノレン酸という成分が含まれており、この成分が体内に入ることでDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)に変換されます。
DHAは、血液中の中性脂肪やコレステロール値を下げる働きをしてくれます。
また、EPAは血液中の中性脂肪の濃度を下げてくれる役割があります。
これらの成分にプラスしてアレルギーを抑えてくれる役割も持っているのです。
さらにα-リノレン酸を摂取することでうつ病にも効果があることがわかってきました。
また、オメガ脂肪酸には3・6・9と分類され、それぞれ油が取れるものによって分類されています。私たちの健康に役立ってくれるのは、その中でもオメガ3と分類されている油なのです。
ただし、体に良いからと過剰に摂取してしまうのは逆効果になってしまいますので注意が必要です。
2.中性脂肪分解に役立つ5つの理由
オメガ3に含まれているα-リノレン酸が体内で、DHAとEPAに変換されることにより、中性脂肪分解に役立たせることができることがわかりました。
では、オメガ3が中性脂肪分解に役立つ5つの理由をまとめてみましょう。
1) 中性脂肪の代謝を促進してくれる
エネルギーに変換することで、中性脂肪を消費する効果があります。
2) 中性脂肪を作らせない
体内で脂肪を再合成する物質を作らせないことで、脂肪になりにくくする効果があります。
3) 脂肪分解を活性化する
脂肪を分解してくれる酵素を活性化し、分解を促してくれます。
4) 中性脂肪の分泌を抑制してくれる
肝臓から血液に送る中性脂肪の分泌を抑えてくれる働きをします。
5) 悪玉コレステロールの働きを抑えてくれる
体内の悪玉コレステロールの働きを抑え、コレステロール値を下げる働きがあります。
この5つの理由によって、体内で中性脂肪が蓄積されずに分解してくれる為、中性脂肪自体が減少します。
また、中性脂肪を体内で作らせないようにする働きもある為、ダイエット効果にも期待がもてるのです。
さらに、オメガ3にはアンチエイジング効果も期待できる為、体内の老化を予防してくれます。
3.オメガ3を効率よく摂取する方法
オメガ3が含まれているものは大きく分けて4つあります。
1) 魚類
オメガ3が豊富に含まれていることがわかっているのは、魚類です。特にマグロの脂身がおすすめです。また、ブリやイワシ、サンマなども良いでしょう。
2) クルミやナッツ類
オメガ3を多く摂取したい時には、クルミがおすすめ。含有量がとても多く、他のナッツ類の約3倍とも言われています。
3) 亜麻仁油(アマニオイル)
あまり馴染みのない油の一種ではありますが、亜麻という寒冷地で栽培されている植物の種から抽出されているものです。
成分の半分以上がオメガ3ということもあり、スプーン1杯程度で1日量を摂取できるとも言われる優秀な油です。
4) エゴマ油
胡麻の油ではなく、シソ科の植物から抽出された油です。こちらもあまりメジャーな油ではありませんが、含有率が6割と高いです。
これらの食品、または油から摂取することができるのですが、一つだけ注意しなければならないことがあります。
それは、加熱処理をしないということです。加熱処理をしてしまうと効果がなくなってしまいますので、必ず生のまま摂取しましょう。
サラダなどに直接かけたり、マグロならば刺身などとして食べることがおすすめです。
4.まとめ
オメガ3が中性脂肪にどのように役立ってくれるかを5つの理由と共に説明してきました。人間の体内で生成できないものですから、
食事から摂取するしか方法がありません。中性脂肪やコレステロール値で悩んでいる方は積極的に摂取するようにしましょう。
また、健康に良いからといって、過剰摂取しないように注意しましょう。食事として取り入れる際には、加熱処理をせずに生のまま使用するように心掛けてください。スプーン1杯の油を飲むのは難しくても、サラダなどのドレッシングにしてしまえば簡単に摂取できますので試してみましょう。