筋肉のない身体ほど不便なものはありません。
身体の筋力は老化に伴ってどんどん低下していきます。
筋力を低下させるのは簡単なことですが、筋力をつけることはその何倍も労力が必要となります。
身体が不必要と判断したのを撤回することになるので、そりゃ大変です。
筋力が落ちることによって様々な問題が生じるようになります。例えば、十分に歩けなくなることで自由に外へ出歩くことができなくなります。また、身体に様々な問題を引き起こし色んな病気にもかかりやすくなります。
しかし、聞いて下さい。筋量の多い人ほど長生きするという報告もあります。
老後の自由な時間を満喫できずに、寝たきりの生活になるのは人生において最も辛い時間になってしまいます。
高齢の身体になった後の筋トレは、筋肉が上手く付いてこないことに加えて体力も低下しているので非常に大変です。
こうならないためにも早いうちに老後の身体についての知識を蓄え、早いうちに対策することが重要になるでしょう!
1.加齢と筋力低下
一般的に筋力は20〜30歳をピークに以後減少し、80歳までに30〜40%低下していくといわれています。
たったそれだけかと思う方がいると思いますが、約半分いかないくらいの筋力がなくなるということは毎日片足で生活するくらい辛い状態です。
加齢に伴なう筋量と筋力低下のことをサルコペニアと呼んでいます。
メカニズムについてはまだはっきりしていませんが、加齢に伴う筋力低下は生理現象であることから逃れることはできません。
しかし、筋肉の絶対量を増やすことや、事前に予防することでサルコペニアを遅らせることは可能です。
加齢によって、速筋と呼ばれる筋肉繊維が優位に筋力低下していきます。
速筋とはその名の通り、速く動ける筋肉のことです。何かの拍子に即座に対応できる筋肉ですが、この筋肉の機能が低下すると転びやすい身体になっていきます。
だから、歳をとると転びやすくなるのです。足を何かに引っ掛けた時に即座に筋肉が対応できなくなるからです。
筋力は大腿四頭筋、臀筋群を中心とした下肢筋力の低下が著しいといわれています。
これらの筋力を日々トレーニングすることは非常に有効です。
例えば、一日一万歩歩くようにしたり、スクワットを毎日やるようにしたり、自転車を長時間漕ぐことも非常に有効です。
筋力トレーニングをやるなら、下肢から優先にトレーニングするようにしましょう。
●筋肉は全盛期に比べ約半分ほどの筋肉が無くなる!
●早いうちに筋肉は蓄えておこう!
●筋トレをするなら足の筋肉から!
2.女性は骨粗ショウ症に注意!
女性の場合、筋力低下はもちろんのこと老化に伴い骨量も大きく低下していきます。筋量の低下による骨量低下と、生理的な骨量低下のダブルパンチを受けます。
女性は20歳前後でピークを迎え、45歳まで維持し、閉経とともに急速に低下していきます
女性はピーク時より35〜50%の骨量を失うといわれています。
将来的に脊椎圧迫骨折や大腿骨頸部骨折を生じやすくなり、寝たきりや介護を必要になる原因になりうるため注意が必要です!
骨粗ショウ症の予防と治療ですが、重要なのは除去できる危険因子をできるだけ取り除くことです。
加齢や性別、人種など除去できないものではなく、生活習慣などの変化可能な因子を対応していくということです。
- カルシウム不足(乳製品、大豆製品、小魚)
- ビタミンD不足(干し椎茸、レバー、サケ、イワシ等)
- ビタミンK不足(納豆、チーズ)
- リンの過剰摂取
- 食塩の過剰摂取
- 極端な食事制限(無理なダイエット)
- 運動不足
- 日照不足
- 喫煙
- 過度の飲酒
- 多量のコーヒー 等
これらが除去できる危険因子の例です。
これを見て改善できそうな部分は今から改善していきましょう!
参考図書 文光堂 運動療法学 障害別アプローチの理論と実際 一橋則明 著