人の身体を簡単に知りましょう。
人という構造体の性質は
- 硬度 柔らかさと硬さ
- 弾性 伸びやすいか伸びにくいか
- 粘性 ネバネバしているかサラサラしているか
という大きく三つに分けられます。
これら三つの性質が組み合わさって身体は構成されています。これら三つの性質をこれからまとめていきます。
1.硬度
硬度とは文字通り、物体の硬さのことをいいます。硬さと言われても色んな硬さが存在するので、ここでは『物体が外力を加えられたときの変形がしにくい状態』と定義します。
物体に力が加わった時に変形がしにくいということは、その加えられたエネルギーがそっくりそのまま返って来るということです。
豆腐を押した時は、力が反発してこないためそのまま沈むように触れられます。しかし、コンクリートのように硬いものを押した時は、力がそっくりそのまま返って来るため硬い感触を感じることができると思います。
ここで、硬度の低い柔らかい物を床に落とした場合と、硬度の高い硬い物を床に落とした場合だとどちらの方が衝撃が強いと思いますか?
もちろん、柔らかい方が落とした時の衝撃が少ないですよね。床から力が反発してこないからです。
これを身体に例えてみましょう。よく身体を柔らかくしろだとか、硬すぎるだとか言われると思います。
先ほどの例を考えると柔らかく、硬度の低い身体の方がメリットが大きそうですよね。硬い身体は衝撃に弱く、動き回る人間にとって不向きな身体といえます。
だからこそ、身体が壊れにくくなるように柔らかい身体を手に入れることが大切なのです。
2.弾性
弾性とは『一定の力で変形し、力がなくなると元の形に戻る性質』と定義されています。
ゴムやスーパーボールは弾性が高いといえます。
この弾性という力は体にとっても非常に大切な力であると言えます。
身体で例えるなら、筋肉です。筋肉はいわばゴムのようなものです。ゴムのように伸び縮みし力を発揮しています。
この重要な役割を果たしている筋肉が、古くなったゴムのように伸び縮みしにくくなったら身体はどうなってしまうのでしょうか。
筋肉は本来の力を発揮することができず、動きにくく怪我のしやすい身体になってしまうことでしょう。
輪ゴムを飛ばすときはよく伸ばしたほうが、遠くへ飛びやすいです。遠くへ飛ぶということはそれほど大きな力が輪ゴムに伝わったということです。
弾性が高ければ高いほど、力を蓄えられる量が多くなります。それと同様に筋肉の弾性が高ければ高いほど、大きな力を発揮できるようになります。結果、動きやすく怪我のしにくい身体が手に入るのです。
3.粘性
粘性とは『物体に力を加えると力の方向に変形が生じ、力がなくなると変形が停止するという性質』のことを言います。
粘性の特性として速度に依存した摩擦力の変化があります。これは早く動かせば早く動かすほど抵抗感が強くなるということです。
水には粘性があります。例えば、ヨットでオールを漕ぐ際は早く漕ごうとすると大きな抵抗感を感じることができると思います。
また、粘性には温度依存性があり、液体の粘性は温度の上昇に伴い低下し、気体の粘性は温度の上昇に伴い上昇します。
身体で例えると、代表的な物で筋肉はこの粘性と弾性の性質を併せ持っています。
これら二つの性質を併せ持つことで、急激な筋肉の伸長に対しても粘性の力で抵抗感を作り出し、ゆっくり伸長させることで筋肉の損傷を防いでいます。弾性だけでは急に伸ばされるだけだとそのスピードに対応できず損傷してしまうリスクが高まります。
身体には他にも粘性の性質を持った物質が多く存在します。
温度依存性の性質を持っているため、温度が低すぎると筋肉の粘性は高くなり過度な抵抗感を作り出してしまいます。この点では、筋肉の温度を高めた方が怪我をしにくくなるということに納得できますね。