皆さんはプラセボ効果と呼ばれるものを聞いたことがありますか?
まだまだ研究が進んでいる段階で、ハッキリとしたメカニズムが分かってない効果ですが、私たちセラピストにとっても大事な考え方となる効果だと思います。
プラセボ効果を知っている人と知っていない人とでは施術において大きな差を産んでしまうかもしれませんよ!
1.プラセボ効果とは何なのか?
プラセボ効果とは,薬理学的作用ができないと考えられる偽薬(たとえば乳糖とか生理食塩水など)が投与された場合に何らかの隔床的効果が得られることであると言われています。
例えば、痛みを訴える人に対して、薬理作用のない薬を飲ませると、痛み止めの薬だと思い込むことで痛みがなくなることがあるということです。
ただ『薬を飲んだ』という意識と信念が身体的な変化を引き起こすという不思議な効果です。
思い込みが体に変化を起こすため、思い込みの力もと呼ばれます。
歴史的にはプラセボ効果は近代医学が発展する前の時代において、医療効果の本質であった可能性もあるといわれているほどです。
ちなみに、プラセボ効果による良い効果だけでなく、副作用が見られる悪い効果の場合はノセボ効果と呼ばれます。
例えば、『この薬を服用すると頭が痛くなるかもしれません』という暗示をすると、マイナスの効果を出してしまうこともあるのです。
また、鍼治療、カイロプラティック、アロマテラピーなどの補完代替医療はプラセボ効果の影響が強いという解釈もあるそうです。
そうなると、私たちが行うリハビリもプラセボ効果の影響が強いのかもしれませんね!
●プラセボ効果についてはまだ分かっていないことが多い
●思い込みの力が身体に変化を引き起こす
●近代の医療でもプラセボ効果の影響が強いこともある
2.リハビリにどう生かしていくか
近年の研究では心理的なものだけでなく、脳内のエンドルフィンとよばれる物質がプラセボ効果に大きな影響を与えているのではないかと考えられているようです。
エンドルフィンとは脳内で機能する神経伝達物質の一つで、内在性オピオイドの一つで鎮痛効果を引き起こすモルヒネ同様の作用を示します。
エンドルフィンの効果によってプラセボ効果が引き起こされるとも解釈できますね。
エンドルフィンの分泌をどう促していくかが鍵になってきますね!
エンドルフィンの出し方は簡単にいうと
①苦痛を感じた時
②気持ちいい、楽しいと感じた時
に分泌されやすいようです。
例えば、有酸素運動やサウナ、好きなものを好きなだけ食べるといった行動がいいようです。
私たちセラピストがエンドルフィンを分泌させるとしたら、心地よい感覚をいれないといけないわけですから、心地よい治療と心地よい関わり方をしないといけませんね。
とにかく、クライアントに不快を感じさせないリハビリをしていく必要があるということです。
そのため、最も重要だと考えられるのはクライアントとの信頼関係ですね。
治療をするにしろ全ての基盤である良好な関係が築かれていないと良い治療はできません。
良好なラポールが形成されている人ほど、やはり治療効果も大きくなるのではないでしょうか?
信頼のある人から治療をしてもらった方が、安心して治療を受けることができ、心地よい感覚になりますよね。
プラセボ効果を期待するのであれば、初心に戻ってクライアントとの信頼関係を大事にしていきたいですね!
●エンドルフィンを分泌させることが大切
●エンドルフィンを分泌させるには信頼関係を大事にしよう!
3.信頼関係を上げる関わり方
❶最初の3秒〜5秒
初対面の方の印象が決まるのは最初の3秒〜5秒だといわれています。
最初の数秒で印象が良くも悪くも決定しまうなんて恐ろしい数秒です。
この数秒がこれからの関係を築く上で非常に大切となるということです。
基本的に視覚から入るので、髪型、表情、身だしなみなどから印象が決定していきます。
視覚情報から悪い印象が一つでも入ると総合的な印象はあまり良いものではなくなります。
必ず、初回の方に入る際は鏡等で身だしなみをチェックし、清潔感のある格好で関わるようにしましょう。
❷声の質
最初の声掛けや声の質も大きく印象を変える要因になります。
声掛けや声の質でゆっくりと低めの声で落ち着いた様子で話しかければ、印象は安心感のある良い印象を与えますが、高い声で早口となると、不信感のある悪い印象を与えやすくなります。
やはり余裕のある関わり方と声の質が重要です。
また、相手の話すリズムに自分も合わしてあげることも違和感のないコミュニケーションを作ることができます。
普段、切羽詰まったように高い声で早口となってしまう方は注意が必要です。
❸最後の印象
強烈に印象が残るのは、最後の印象も重要だといわれています。
終わりよければ全て良しというように、もし最初の印象でミスをしてしまった方も、最後の締めをよくできれば挽回できるかもしれません。
最後を好印象で終えるためには、終わりの挨拶を大事にすることが大切だと考えています。
例えば、言葉だけでなくお礼をしたり、挨拶に+αで励ましの言葉をかけたりすることもいいですよね。
とにかく、最後の姿は印象として大きく残るため、大事にしていきましょう!