「癌との向き合い方」 — エビデンスに基づく解説と実践ガイドについて!

「癌との向き合い方」 — エビデンスに基づく解説と実践ガイドについて!

※本記事は最新の公的機関・学術レビューをもとに作成しています。個別の治療や運動・食事の変更は、必ず担当医や医療チームと相談してください。  

がんと向き合うということは、身体のこと、心のこと、身の回りの大事な人のこと、そしてこれからの生活のこと…
いろんな不安や疑問が出てくるものです。

「何を大事にすればいいのか」「どんな風に毎日を過ごしていけばいいのか」
そんな不安を少しでも軽くできるように、このブログでは“わかりやすく”“信頼できる情報”をまとめました。

ここで紹介する内容は、世界的な医療機関や研究で確かめられたエビデンス(科学的根拠)を土台にして書いています。治療や生活の工夫には個人差がありますが、がんと付き合っていくうえで多くの人に共通する大切なポイントをまとめてみました。

不安な気持ちをひとりで抱え込まず、焦らず少しずつ自分のペースで、自分らしく生活すること。

このブログが、あなたやあなたの大切な人の心に、ほんの少しでも安心を届けられますように。

1. 癌とはなんなのか?

癌(がん)は、体の細胞が遺伝的な変化により制御不能に増殖し、周囲へ浸潤したり遠くに転移したりする一群の病気です。

正常な細胞は分裂や死がコントロールされていますが、がん細胞はその制御が壊れることで増殖を続けます。

つまり、がんというのは体の細胞が言う事を聞かなくなって勝手に増え続けてしまう病気なのです。

通常、普通の細胞は

・必要な時だけ増える

・寿命を迎えたら壊れてなくなる

・周りに迷惑をかけないように働いている

こういったルールを守って体のために頑張って働いてくれています。

しかし、普通の細胞の中でエラーが起きてしまった細胞はルールを無視して働き続けます。

・止めようとしても止まらず増え続ける

・毒のように染み込み、周りの組織にも入り込んで壊していく

・周りに迷惑をかけながら働いている

それが、がん細胞といわれるものです。

がん細胞が体を壊していく結果、がんとして体に発症されるのです。

2. 癌のステージ進行について

癌の「ステージ」は病気の広がりを示す指標で、治療選択や予後(治りやすさ)を考える上で重要です。

代表的な分類法はTNM分類で、

T(Tumor):原発腫瘍の大きさや深さ

N(Node):リンパ節転移の有無

M(Metastasis):遠隔転移の有無

これらの組み合わせから病期(ステージ0〜IVなど)にまとめられます。

がんを家の火事に例えるとこんな感じです。

• 部屋の一角だけ燃えてる → 早い段階

• 隣の部屋に燃え広がった → 中くらいの段階

• 家の外まで火が回った → 進んだ段階

みたいに、がんも広がり具合で段階(ステージ)をつけているのです。

ステージが進むほど治療は複雑になりやすいですが、がんの種類によっては進行していても効果的な治療で長く生活できることもあります。  

 ステージのざっくりイメージ
ステージ0・I
→ かなり早期。広がりが少ない。
ステージII・III
→ 少し広がってきてる段階。
手術・薬・放射線などを組み合わせることが多い。
ステージIV
→ 遠くに転移している段階。

でも今は治療が進んで「長く生活できる人」もめっちゃ増えてる!

だから、ステージが進んだからといって絶望ではない!

がんの種類によっては、

• 進行していてもコントロールが効きやすい

• 薬がよく効くタイプ

• うまく治療すれば長く良い状態を保てる

なんてケースもかなり多いです。

だから、“ステージはあくまで治療の方向性を決めるための情報”であって、悪い未来を決めるものじゃないんです。

3. 癌との向き合い方(食事・運動・心の持ち様など)

①食事(栄養)

がんになると、普通の人以上に体のエネルギーは消費されていきます。

いつもはこれくらいでは疲れなかったのに

なんだか最近気力がなくなった

筋肉に力がうまく入らない

こういった問題はがんになって体のエネルギーが枯渇してしまっているからかもしれません。

がんになると

①がん細胞がめっちゃ働くからエネルギーを勝手に使われてしまう
②体がずっと炎症状態、、だから基礎代謝が無理にあげられてしまう
③がん細胞が出す炎症物質が筋肉を壊していく
④抗がん剤などの治療でエネルギーを使ってしまう

体調が悪いからお腹は減らないけど、体のエネルギーが枯渇していくという悪循環に陥りやすくなるのです。

だから無理せず必要最低限のエネルギーは摂取していくことがめちゃくちゃ大切なんです。

具合が悪いから食べないというのは、体の中でがんと戦うエネルギーが作れず、がん細胞に有利な状況を作り出してしまいます。

だからこそ、がんと戦うために重要な食べ物をお伝えします。

全体として植物中心のバランスの良い食事(野菜・果物、全粒穀物、豆類、適度な魚や鶏肉)を基本にすることが、発症リスク低下や生存率改善に関連するという根拠があるようです。

赤身肉や加工肉、過剰なアルコールはリスクを上げる可能性があるため注意が必要です。

治療中は体重や栄養状態を保つことが非常に重要です。  

⚫︎実践ポイント(治療中含む)
• 食欲が落ちたら高エネルギー・高たんぱくの食品を小分けに摂る。小分けにするということは、1日5-6回に分けて少しずつ食べるようにすること
卵料理(茶碗蒸し・卵豆腐・スクランブル)
→ たんぱく質の吸収が良い
→ やわらかくて食べやすいから、がんの方でも負担になりにくい
ツナ缶・サバ缶・魚の練り物(ちくわ・かまぼこ)
→ 調理がいらない
→ 水分が多くて食べやすいものが多い
おかゆ+卵 or 魚や豆腐を合わせる
→ 主食でエネルギー+具でたんぱく質
→ しんどい日でも食べやすい
さつまいも・バナナ
→ 胃に負担少なくエネルギーを補給しやすい
→ 小腹が空いたときにもGOOD!
• 嘔吐や味覚障害があれば、冷たいもの/淡い味付けなどを試す。
• サプリは自己判断で高用量をとるのは避け、医師と相談。  

②運動(身体活動)

がんになると体の節々が痛み、体調の優れない日も多くなることでしょう。

そうなると体を動かしたくなることは当然のことです。

しかし、軽い運動は痛みや体力の低下、心の状態に対して良い効果があることがわかっています。

運動は治療の副作用(疲労、筋力低下、心機能低下、認知機能低下など)を軽減し、QOL(生活の質)を改善するという強い証拠があります。

最近の大規模研究では、術後の運動プログラムが再発・死のリスクを低下させた例も報告されています。

運動は“薬に匹敵する効果”と評されるほど効果的な場面もあります。  

次にがん患者さんが「低負荷の軽い運動」が“最適”と言われる理由についてです

① 疲労(CRF)を悪化させずに改善できる

がんの疲労って “休んでも取れにくい疲労” といわれていますが、軽い運動はこれを和らげる効果がめちゃくちゃ強いってエビデンスが出ています

逆に高負荷だと疲労を強めたり、免疫を落としちゃう可能性があるので要注意です!

② 筋肉量をゆっくり安全に守れる

抗がん剤や全身性炎症で筋肉が分解されやすい状態になりやすいですが、軽い筋トレやウォーキング程度で十分“筋肉の減りを防げる”

筋肉は「刺激がゼロ」だと一気に落ちますが、「軽い刺激」を継続すれば保ちやすくなるのです。

③ 治療の副作用(吐き気・倦怠感・抑うつ)にもプラス

軽い運動はただの体力づくりじゃなくて、

• 気分の改善
• 睡眠の改善
• 不安の軽減
• 食欲アップ

にも効果があるって研究が多いのです!ストレスホルモンも下がりやすいともいわれています。

心と体には密接な関係がありますからね!

④ 安全性が高い(ここ大事!)

高負荷トレーニングだと、

• 心臓・呼吸に負担

• 副作用で傷ついた血管に影響

• 骨転移があると骨折リスク

みたいな危険もあるから、医療現場でも基本は軽負荷〜中等度の運動が推奨されています。

じゃあ、どれくらいの運動をすればいいのか?

これはめちゃくちゃ現場でも使われるスタンダードな目安です。

 ウォーキング(ゆっくり〜やや速歩)
1日10〜20分
疲れてる日は5分でもOK
 軽い筋トレ
• イスからの立ち座り
• イスに触りながら足踏み
• 膝を少しだけ曲げる軽いスクワット
などを 10回 × 無理のない回数
 深呼吸・ストレッチ・ヨガ
疲労が強い時でもできるし、呼吸や不安にも良い!

こんな体操ができるとすごく良さそうです!

実践ポイント:
• 医師と相談の上で、有酸素+レジスタンス(筋力)を中心に、疲労が強ければ短時間の軽い運動から開始。
• 個別プログラム(がんリハビリや理学療法士による指導)が安全で効果的。  

③心の持ち様(心理・社会的支援

診断・治療は大きな心理的ストレスを伴うので、心理的支援やピアサポート(仲間の支え)、専門家によるカウンセリングが精神的苦痛を和らげ、生活の質を上げることが示されています。

ただし、心理ケアそのものが生存率を直接大きく変えるかは研究にばらつきがあります(短期的改善は明確)。  

実践ポイント:
• 感情を話せる相手(家族・友人・医療者・患者会)を作る。
• 痛みや不安は医療チームに遠慮なく相談して対処法を一緒に考える。
• 必要なら専門の精神科/臨床心理士に紹介を依頼する。  
医療チームとの連携
• 治療法の選択や副作用対策、リハビリ、栄養管理、緩和ケア(以下参照)などは**多職種チーム(医師・看護師・薬剤師・理学療法士・栄養士・心理職)**で行うと良いです。疑問や不安は記録して持っていくと相談がスムーズ。 

病気になると孤立しやすいですが、人と関わることって本当に大切!
人にとって孤立や孤独は最大のストレスになると言われています。

いろんな方と関わり続けることで、心も体も安定させていきましょう。

4. 闘病で一番大切だと思うこと

ここまで色々書いてきましたが、自分的にいちばん大事だと思うのは

「生活の中での苦痛を最大限にを減らして、できるだけ最期までその人らしく毎日を過ごせるようにすること、そして最期まで希望を持つこと」

希望だけ絶対に捨ててはいけないと思います。

人の心の中に眠っている外向きの欲求を絶対に無くさないで下さい。

希望というのは、つまり外向きの欲求のことです。
自分の心の中で生まれてくるやりたい、したみたいという外向きの気持ちのこと
その気持ちがある限り、無限に生きる力が湧いてきます。

治療が大事なのはもちろん分かりますが、希望を胸に自分らしい生活を送り、生活の質を落とさないことが大切です!

簡単なまとめをしておきます

① 痛みやツラい症状をちゃんと取ること(緩和ケア)
「緩和ケア」って聞くと終末期のものって思われがちですが、
痛み、吐き気、眠れない、息苦しい、食欲ゼロ
こういう「毎日のしんどさ」を取ると、体力も気持ちも回復しやすくなって、治療も前向きに続けられるようになります。
研究でも「早めの緩和ケアがQOLを上げ、治療の結果も良くなる」って出てるくらいです。
② 早めに医師と“これからの方針”を共有すること
「どこをゴールにするか」って意外と大事で、
“完治を目指す”治療なのか、“延命より、生活のラクさを優先”なのか、“今の症状をどう減らしたいか”、“副作用をどこまで許容するか”
これを 家族と医療チームで早めに共有するだけで、患者さん本人の安心感が全然違います。
③ 家族や身近な人のサポート
がんの治療って、患者さんだけじゃなくて 家族もグッと負担がかかります。
だから、
家族の手伝い、SNSや患者会みたいな仲間の存在、介護保険や支援サービス、病院の相談員さん
こういう“周りの力”をちゃんと借りることが、結局は患者さん本人の元気にもつながります。
一人で背負わないのがいちばん大切!!

「症状を我慢しすぎないでケアする」「治療の方針を早めに共有する」「家族や周りの助けを遠慮なく使う」

これが、がんと向き合ううえで最強セット!!

がんに負けない!最期まで自分らしく!!

私がこの記事を書いたよ!

yushi-k1

yushi-k1 男性

幼少期からサッカーを続ける→身体への興味が湧き理学療法士の道へ→総合病院に勤務→訪問リハビリへ転職|一般の方々の身体についての興味や知識の少なさに驚愕/低給料で十分な学びが得られない→心と身体の一般的な知識の共有、副収入を目的にブログを開設|心身共に健康的な生活を送ることができるような情報と良質な商品の紹介を発信していきたいと思います!●所有資格/理学療法士/JADP認定メンタル心理カウンセラー®︎

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