医学には大きく分けて東洋医学と西洋医学というものがありますが、各々が違った考えとなっています。
東洋医学とは、元から備わっている自然治癒、内部の抵抗力を引き出し症状の緩和や消失を目指す、ヒーリング(治癒)の医学です。
西洋医学とは、外部から病気を治すことで症状の緩和や消失を目指す、トリートメント(治療)の医学です。
病気は薬や外科的治療で治すものだという西洋医学的な認識が強いと思いますが、治癒系と呼ばれる人の身体に元から備わっている『治癒系』によって病気を治していく方法もあります。
治療が好結果をもたらすのは別の条件下では、なんら外部からの刺激なしに作動したかもしれないようなもともと内部に備わった治癒機構の活性化そのものであることを知っておくべきです。
つまり、治療というのは治癒なしでは成り立たないってことになります。
身体には治る力がある。
なぜなら人にはヒーリングシステムが備わっているから。
このフレーズが何を示しているのか一緒に確認していきましょう。
1.治癒系とはなにか?
治癒系とは人間に元から備わっている機能のことをいいます。
分子レベルで治癒系の基本的な活動が起こっています。
DNAの自己修復機能と呼ばれるものです。
損傷を診断し、損傷した組織を除去し、正常な組織を入れ替える、また、正しく機能するように、絶えず訂正の指示も出しているのが自己修復機能です。
細胞レベルであっても傷ついたものを認識し、除去と置換を行う作業が治癒系として働いています。
組織レベルであってもかさぶたができて怪我が治るように元から備わる治癒系の活動があります。
このように分子レベルから目に見える組織レベルまで治癒系による自己修復機能が働いているのです。
治癒系は細胞の成長と増殖に影響する促進因子と抑制因子のバランスのいい相互作用に依存しています。
治癒系は怪我を治すことと、常日頃健康を維持するといった常に正常を保つという均衡作用も担っています。
また、治癒系とこころには大きな相互関係があるといわれています。
大きなストレスから解放された瞬間に治癒系が働くこともあるし、何かを機に治癒系が働くことがあります。
大きな課題への挑戦に成功した時、人生に立ち向かう防衛的な姿勢を維持する必要性を失った時(不幸な結婚生活のピリオド、不仲な家族関係を解消するなど)に、内部の深い安らぎを得ることができ、それが治癒へとつながるのです。
とにかく心の状態が治癒系に大きく関わることは確かなようです。
色んな病気の心配があり、なにをすればすれば良いのか分からなくなってしまったら、心の状態を整えることも必要ですね。
全てを受け入れる心が重要です。
自分で治るんだったら病気にならないじゃん!
確かにそういうこともできますよね。
では、なぜ病気になってしまうかをこれから説明していこうと思います。
先程お伝えした通り、治癒系は常に存在し、いつも作動しています。心身のバランスが崩れた時に治癒系はバランスを保とうと働き、均衡を保とうとしているのです。
その回復量が、必要とされる仕事量に追いつかない時に病気が生じると考えられています。
病気の大きさによって回復しなければならないエネルギー量も大きくなりますし、回復力は人によって個人差があるようです。
治癒は身体の状態にも左右されやすいということです。
例えば栄養不良・代謝低下、慢性病による衰弱がある場合、治癒のエネルギーが分散されてしまい、治癒が遅れてしまうのです。
治癒系が上手く機能した状態で目指すべき死とは、癒やされた人の死であるといわれています。
自己の人生を満たされたものとして眺め、身体の崩壊を受容できる死です。
●治癒系とは元から人に備わっている自己修復機能のこと!
●分子レベルから組織レベルまで治癒系による活動が存在している!
●何らかの理由により治癒系のバランスが崩れると病気が引き起こされる!
●治癒系をいかに機能させられるかが健康を維持するために重要となる!
2.治癒系をうまく働かせるためには?
治癒系について基本的なことを抑えた上で、この健康維持に重要な働きをする治癒系はどうしたら上手く働くようになるのでしょうか?
治癒系をバランス良く働かせることで病気の予防が可能であり、病気を治すことも可能になることがあります。
まずは治癒を阻害する8つの要因を抑えておきましょう。
①エネルギー不足
治癒をするのもエネルギーが必要だが、内側で色んな方向でエネルギーが無駄遣いされていると治癒するためのエネルギーが不足することになる!
病気が多くなりすぎても回復力が追いつかなくなってしまう!
②循環不全
血液の循環に治癒系は依存している!
③浅い呼吸
浅い呼吸は代謝を下げて、治癒系の働きを低下させる!
④防衛障害
防衛とは免疫力であり、免疫力が低下すると治癒系は低下する!
免疫系を低下させるのは、持続的な強力な感染、特定の物質やエネルギーによる害作用、不健康な精神状態!
⑤有害物質
農薬や化学物質、質の悪い空気、電磁波などによる影響によって治癒系は低下する!
⑥老化
老化により治癒系は低下する!
⑦心理的要因
こころの状態と治癒系は大きな相関関係がある!
⑧精神的、霊的問題
以上の8つの要因が治癒を阻害する要因になるといわれています。
これらの要因をできるだけ省いていくことが求められます。
心の状態ももちろんですが、特に食生活と運動習慣で大きく治癒系の機能が高まるそうです。
身体の状態を整えていくことで治癒系を活性化させていきましょう。
食生活では栄養のバランスを考え、それぞれ質の良い栄養をとることが大事です。
それぞれ説明していきますね。
①脂質
脂質では体に良い脂質と体に悪い脂質がある。
トランス脂肪酸のような脂質は体に悪く、治癒系の機能を低下させるが、オメガ3脂肪酸のように身体に良い脂質は治癒系の機能を向上させることで知られています。
オリーブオイルをもっぱら使い、オメガ3脂肪酸をしっかり摂ること!
②タンパク質
タンパク質の取りすぎを控え、動物性タンパクをやめて、魚と大豆からタンパク質をとること!
③野菜と果物
とにかくもっと食べること!
治癒力を高める食べ物もいくつか紹介していきます。
❶ニンニク
心血管系に大きな影響、血圧を低下させる効果、コレステロールを改善させる効果が強いといわれています。
新鮮なニンニクを食べることが大事です。
生のニンニクをサラダドレッシングに加えてもよし、オリーブオイルで炒めて香味付けにしてもよしです。
❷しょうが
薬用植物として大昔から高く評価されています。
消化器系に対する強壮効果がかなり高く、様々な酵素と抗酸化物質を含んでいます。
新鮮な生姜をすりおろしたり、砂糖漬けにして食べても良しです。
食事と一緒に生姜をとることをおすすめします。
❸緑茶
カテキンの代謝向上、抗がん、抗菌作用がかなり高いです。
カフェインと同系統のテオフィリンが含まれているため、中毒には注意が必要です。
程よい苦味と芳香によって飲む人の気分をリラックスさせる効果もあります。
❹ノゲシ
肝細胞の代謝を活性化させ、肝臓を有害物質から守る働きが知られています。
アルコールを多量に飲む方は定期的にノゲシを摂取すると良いといわれています。
錠剤かカプセルになった、規格品のエキス剤がおすすめです。
長期間使っても害はないといわれているので安心です。
❺マイタケ
免疫強化作用があります。
慢性疲労や慢性肝炎などの免疫系に問題がある人に補助食品としておすすめです。
続いて運動についてです。
簡単に朝のウォーキングを日課にして夜に質の良い睡眠をとることが大事です。
身体に適度な運動と安眠によって身体の芯から疲労をとりリラックスさせることで自発的治癒が起こる機会を増やすことができます。
朝の歩行と夜の深い眠りは、どんな事態が起こっても治癒系がきっと解決させてくれる大事な習慣になるようです。
運動については過去に記事を作成しているのでぜひご覧くださいね!
自分の治癒力を高める上でも大事だったんだね!
今日から気をつけて生活していこう!
●治癒を阻害させる8つの要因がある!
●運動習慣と食生活が大きく治癒系に関係する!
●心と身体の状態を最適の状態に保つことが治癒系を活性化させる!
3.まとめ
身体は常に健康になりたがっています。
常に健康になるためにエネルギーを使っていますが、様々な要因によってそれが邪魔されてしまっているのです。
自然な治癒に向かう力を上手く活かしていくことが本来やるべき治療になるのではないかということです。
自分に備わる自然治癒力を信じて、治癒系を上手く働かせていくことが大切です!
●参考文献
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