皆さんはQLSって聞いたことがありますか?
末梢神経障害を引き起こしやすくなるポイントがQLSと呼ばれるポイントです。
これを機にもう一度肩関節を復習していきましょう!
1.腋窩神経について
腋窩神経は肩関節運動の強力な回転モーメントを生み出す三角筋を支配します。
神経の一部は小円筋も支配するので、外転筋力以外に外旋筋の筋力もチェックする必要があります。
上肢の神経障害を考える場合は基本的に頸椎疾患との関連を常に頭に置きながら評価することが重要です。
しかしその多くは神経の通り道が塞がれて絞扼による圧迫を受けることがほとんどなので、絞扼を受けやすいポイントを把握することが大切です。
2.腋窩神経を絞扼するポイントがQLS!
腋窩神経が絞扼を受けやすいポイントがQLS(quadrilateral space)と呼ばれる場所になります。
肩関節後方にある肩甲四角腔という部位です。
QLSとは、上方に小円筋、下方に大円筋、内側を上腕三頭筋長頭、外側を上腕骨縁で形成されます。
腋窩神経はこのトンネルを抜けた後に小円筋と三角筋に分布するようです。
腋窩神経に障害が生じると、固有感覚として上腕骨近位外側部分に限局して知覚の鈍麻や脱失が生じます。
また、三角筋の筋力が著名に低下します。
肩関節周囲炎が長期化している方や、肩関節後方から上腕にかけてトラブルを生じている方はQLSで何かしらトラブルを抱えている方が多いです。
QLS部分に圧痛があったり、他動外転運動と水平屈曲強制時に疼痛が誘発される場合はQLS部分に問題がある可能性が高くなります。
3.QLSの触診方法とは!?
QLSを触診する場合は、
①大円筋と小円筋との筋間を外側へと触れる
②上腕三頭筋長頭を超えたところを触れる
③上腕骨に触れる前に深く沈み込む陥凹部分が触れる
これがQLSです。
自分も臨床上、腋窩神経に問題を抱えた方を見ましたが、QLSの滑走を促すだけでも症状は大きく変わる経験をしました。
ポイントを抑えて、治療するということは単純ですが重要な作業ですね!