こんにちは!
今回は深部組織ー筋膜リリース(DTMR®︎)という手技についてまとめてみました。
この手技はロルフィングと呼ばれる手技にとても似ており、手技を開発した廣瀬先生もロルフィングコースを修了されています。
筋膜に関する手技は筋膜マニュピュレーションやロルフィングなど色々と学んできましたが、今回のDTMR®︎という手技もとても面白い手技です。
元からこの手技が気になっていた方や、何か手技が欲しくて手技を色々と探していた方はこの記事が少しでも参考になれば幸いです。
1.DTMR®︎とは??
バランスの改善、痛みの解消、機能回復に向けて”
身体の中にある「筋膜」と呼ばれる結合組織に対して、手技を用いながらホリスティックな視点からワークを行い、人が本来持つからだの機能を回復し、より自然体で、快適な生活が送れるようにしてゆくことを目指します。またエクササイズやリハビリとのコラボにより、怪我や術後の癒着した筋膜を解放するだけでなく、長い間使っていない筋肉を活性化させ、体全体のバランスを整えてゆきます。
受傷後や術後、又は運動不足などの為に、筋膜に癒着や制限がある部位を中心に施術いたします。そして、部位の改善に合わせながら、からだのバランスや動きのバランスなどを整えてゆきます。
サイトから引用しましたが、簡単にまとめると筋膜のバランスを整えて身体が1番機能的に働く自然体に近づけていくことで機能回復に向けていく手技です。
ロルフィングをベースにしたもので、独自の深くゆっくりとした手技で筋膜の特徴である可塑性を利用し、生活の質を低下させるような構造的•機能的制限を解放させていくのです。
この手技は廣瀬寛始先生が代表取締役を務める株式会社I.S.E.が2007年より開催している筋膜アプローチセミナーで学ぶことが可能です。
2.DTMR®︎の効果と効能
何に対してアプローチするのかというと筋膜と呼ばれる知識です。
筋膜は今まで西洋医学の中でも注目されてこなかった筋膜へのアプローチですが、筋膜を整えることは様々な良い効果があるといわれています。
【DTMR®︎の効果】
・体の痛みの軽減および解消
・関節可動域の解消
・姿勢の改善
・自律神経の正常化
・体の運動機能の改善
【DTMR®︎の効能】
・筋膜を主とする体内の膜構造にできた癒着や拘縮の改善および解消
・筋肉の緊張の軽減
・血流の促進
とされています。
筋膜による制限が解放されると、身体の形が元の形に整っていきます。
それは筋肉や骨などの身体のパーツが本来あるべき位置に戻っていくため、本来持つ機能を取り戻していくようになります。
人の形と動きについてまとめた記事もあるので是非お読み下さい。
例えば、丸いボールが長年押しつぶされていると楕円形に形が歪んでいきます。
歪んだボールは転がしたとしても丸いボールのように滑らかに転がっていきませんよね?
歪んだ形は歪んだ動きを作り出し、動きに違和感を生じさせるのです。
それは人間の身体も同じで、身体の歪みは歪んだ動きを作り出し、違和感のある動きは身体を徐々に壊していくのです。
筋膜に対してDTMR®︎を行い、身体のバランスをしっかり整えていきましょう!
筋膜については過去に記事を作成しているのでぜひ読んでみて下さいね!
3.DTMR®︎のやり方
DTMR®︎の簡単な流れとしては
①筋膜の異常を触診により見つける
↓
②問題となる筋膜を特定し動作制限を確認する
↓
③ツール(フィンガー、ナックル、フィスト、パルム、エルボー)を使って治療する
↓
④再度触診や動作確認を行い異常がなくなっているか確認
↓
⑤問題が解消されなければもう一度行うか、場所を変える
それぞれ確認していきましょう!
①筋膜の異常を触診により見つける(硬さ、滑走性、疼痛)
筋膜異常は触診によって確認が可能です。
筋膜に異常が起きると、筋膜を構成する組織に線維化が生じることで硬度が高まります。
そのため、線維化が起きた場所は他の部位に比べて硬く感じ、表面はザラザラと滑らかではなくなるのです。
また、筋膜を滑らせる働きがあるヒアルロン酸が凝集し、ゲル状からゾル状へ変化することで粘性が増し、滑走性が大きく低下します。
触診によって滑走性をみると、滑らせる途中で重くなるような感触で滑走性の低下が見られます。
このように筋膜に異常がみられてると、疼痛を発生させることが多くなるため、軽く圧迫させるだけで疼痛を生じやすくなったりもするため疼痛の評価も必要です。
②問題となる筋膜を特定し動作制限を確認する
各筋には骨を動かし関節を動かす働きがあります。
それぞれの筋に主動作があるため、筋膜に異常をきたしている筋の主動作を確認すると、動作制限を確認できます。
左右差はどれくらいあるのか?
どこから動きづらさが出るのか?
重だるさはあるか?
可動域だけでなく、動きの質まで確認することが必要です。
筋膜に異常をきたすと、関節可動域制限や、重だるさ等の症状が出やすくなります。
③ツール(フィンガー、ナックル、フィスト、パルム、エルボー)を使って治療する
筋膜異常に対してツールを使って治療していきます。
ツールはフィンガー、ナックル、フィスト、パルム、エルボーの5つのツールを使用します。
ツールを患部に押し当てて、深筋膜の層までゆっくりと沈み込ませていきます。
異常をきたした層まで沈み込むと硬さで止まります。
圧は抜かないまま、そのままゆっくりと上下左右に動かしリリースしていきます。
筋膜異常の組織が変わってくるまで続けましょう。
リリース以外に、フィンガーで引っ掛けてリリースする方法や垂直圧で圧を加えたまま動かないといった方法もあります。
圧を加える際は、ボディーメカニクスを上手く使う必要があります。
1番大切なのは重力を使用して治療するということです。
力を入れてリリースをするのではなく、支え圧と呼ばれる身体の体重を乗せるように圧を加えて治療をするのです。
とにかく自分が楽な形で治療をすべきなのです。
自分も相手もリラックスしながら、楽な形で介入することがとても大事です。
④再度触診や動作確認を行い異常がなくなっているか確認
いわゆる再評価の段階です。
触診によって硬さや滑走性、疼痛を再度確認し、介入前と変化しているか確認します。
リリースが上手くできている場合、モデル的には疼痛の軽減や動きが楽になります。
セラピスト的には、柔らかさや滑走性の改善、皮膚の赤みが増すことが確認できます。
⑤問題が解消されなければもう一度行うか、場所を変える
問題がまだ残されている場合は、リリースが上手くできていなかったのか、それともそもそも治療部位が間違っていたのかを考える必要があります。
リリースが上手くできなかった場合は、時間をもう少しかけたり、ツールを変えてみたり、リリース方向を変えてみたりすることが必要です。
治療部位が間違っている場合はもう一度評価を行い、初めからやり直す必要があります。
しっかりと治療するためには、問題のある部位に対して、適切な介入が必要なので、しつこく頑張ってみましょう!
4.実際に使ってみての感想
まず、筋膜に対する介入ははっきりとした変化を引き起こすことが可能だと思ってます。
介入前と介入後は明らかに動きが変わりますし、疼痛も大きく変化することがあります。
しかし、逆も然りであって、動きが悪くしたり、疼痛を強くしたりすることも可能だということです。
そのため、筋膜へ介入する際は注意深く評価して考えることが必要だと思います。
この手技はゆっくりと痛気持ちいいくらいの圧で治療していくためクライアントからの反応も良く、背術側もあまり負担にならないため凄く使いやすい手技だと思います。
老若男女全ての方に適応し、誰にでも使えるのはこの手技のメリットですね!
けど、筋膜に変化を引き起こすまでにとても時間がかかってしまうことがあるため、ゆっくり過ぎて退屈っていうのもちょっと感じたりはします。
その点に関してはフリクションを強く行うFM®︎の方が、テキパキとやってる感があり自分は好きだなと感じます。
治療効果に関してはしっかり介入を行えれば、効果は強く感じます。
筋膜の変化が出ると、疼痛の軽減や動作改善は確実に起きてくれるので、クライアントから喜んでいただけることが多くなりました。
練習はたくさんしないといけませんが、他の筋膜治療に比べると簡単に覚えられる気がするのでとってもおすすめです!
もっと詳しく知りたいなって方は、オンライン上でも勉強ができるのでデータを購入してみましょう!